年次有給休暇の事後申請について

2014.10.21 (火)

有給休暇に関しては多くの経営者から相談されます。
主張されたら断れない、といったイメージがあるのでしょうか。会社は有給休暇に関してはどうしても弱腰になってしまう傾向にあるようです。

今回は従業員が欠勤した後に有給休暇の申請した場合を見ていきましょう。
そもそもこれは認めなくてはならないのでしょうか??

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有給休暇の事後申請については、基本的には応じる必要はありません。
従業員の便宜を図るということでしたら、一定のルールを設けておきましょう。
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労働基準法では、
『使用者は、年次有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。
ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。』
と定めています。
会社は従業員が有給休暇を取得したいと申し出た場合は、希望した時季に取得させなければならず、ただし、その時季に有給休暇を取得されることで、大きな支障がある場合は取得する日の変更も可能というルールです。
これらは、従業員の「時季指定権」と会社の「時季変更権」と呼ばれます。
年次有給休暇という制度には、前提としてこれらの権利が行使可能であることが求められます。

しかし事後申請の場合は、仕事を休んだ後に有給休暇の申し出をすることになるので会社の「時季変更権」を行使するかどうか検討する余地さえありませんね。
その為、有給休暇は≪事前申請≫が原則とされています。
つまり事後申請については認める必要はなく、認めるかどうかは会社の自由となります。
ただ、必ず事前申請しなければならないと規定したとしても、実際には急病などやむを得ず事前に申請できないということもあるでしょうから、事後申請を認められること自体は、従業員の働きやすさを求める観点からは良いかと思います。

とはいえ、何らルールを設けることなく事後申請を認めてしまうと、極端な例ですが、無断欠勤に対しても事後に有給休暇扱いにしなければならなくなるという事態も発生しかねません。トラブルの元ですね。

有給休暇の事後申請を導入される場合には、トラブルを防ぐために、少なくとも次の様な事項を定めてくことをお奨めします。
・何日後までの申請を認めるのか
・事後申請を認める理由【急病等やむを得ない場合に限る】など
・事後申請の届出方法【理由を証明できる診断書の添付】など

事後申請を制度として導入する場合には、上記で決めた事項と、いつから導入するのかを従業員に説明した上で、就業規則にもその旨を記載しましょう。

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