妊娠婦の休みや検査時間について Q&A
2018.10.12 (金)
Q:妊娠が判明しました。出産予定日の6週間前から産前休業が取れることは知っているのですが、それまでに病院の検査へ行きたい時など、仕事を休むことはできるのでしょうか?
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A:ご安心ください。妊産婦は保健指導や健康診査を受ける時間を確保するために休暇を取得することができます。
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妊娠が判明した本人からしてみれば、心配になるのは体調が悪いときや検診等で休まなければならない際の会社の対応でしょう。
まずは法律をしっかりと確認したうえで相談しましょう。
☆男女雇用機会均等法第12条(妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置)
事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する女性労働者が母子保健法の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない。
妊娠中 23週まで ・・・ 4週に1回
24週から35週まで ・・・ 2週に1回
36週から出産まで ・・・ 1週に1回
出産後 1年以内 ・・・ 医師や助産師が指示する回数
法律では「必要な時間」となっているため、正確には「休み」ではありません。
つまり会社には休みを請求したのに、どうしても、少しでも働いてほしい、と言われた時には出社しなければならないこととなります。
労働基準法も含めてですが、労働法の中には「休み」を与えるのではなく、「必要な時間」を与える、という内容が多いですね。
ちなみに妊娠出産関係で休んだ場合、会社からは給与が支給されません。給与の減額を抑えたい場合は少しでも出社するのもよいですね。また年次有給休暇が残っている場合は、こちらを使用してもよいでしょう。
また、医師からの保健指導に応じて、勤務時間や通勤に関して会社に相談できることがいくつかあります。
☆男女雇用機会均等法第13条
事業主は、その雇用する女性労働者が前条の保健指導又は健康診査に基づく指導事項 を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない。
⑴ 妊娠中の通勤緩和
・ 医師等から通勤緩和の指導を受けた旨の女性労働者の申出があった場合
→指導に従い、時差通勤、勤務時間の短縮等の措置
・医師等から指導がない場合においても、申出があった場合
→担当の医師等と連絡をとり、その判断を求める等適切な対応を図る
⑵ 妊娠中の休憩に関する措置
・医師等から休憩に関する措置について指導を受けた旨の女性労働者の申出があった場合
→指導に従い、休憩時間の延長、休憩の回数の増加等の必要な措置
・医師等から指導がない場合においても、申出があった場合
→担当の医師等と連絡をとり、その判断を求める等適切な対応を図る
⑶ 妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置
・医師等により症状等に関する指導を受けた旨の女性労働者の申出があった場合
→指導に基づき、作業の制限、勤務時間の短縮、休業等の必要な措置
・医師等による指導に基づく必要な措置が不明確である場合
→担当の医師等と連絡をとり、その判断を求める等により必要な措置
まだまだ日本の会社では、従業員の妊娠に前向きではないケースが多いようですね。経営的な立場から考えると、わからなくもありません。マタハラという言葉ができてしまったのも、女性従業員の妊娠や育休に後ろ向きな会社が不利益な扱いをしてしまうからでしょう。
本来は喜ばしいことですので、会社としては常に前向きに考えて頂きたいですね。
会社が産休、育休にもっと前向きになれば、より女性は生き生きと働いてくれるでしょう。
その他会社によっては産前産後中及び育児休業中の社会保険料免除のことを知らないこともあり、会社の負担も保険料免除ですよ、と伝えると驚かれる時もあります。
妊娠、育児休業に関しては従業員側と会社側がお互いに正しい理解が必要です。
良い関係を保つためにも、まずは社会保険労務士に相談するとよいでしょう。
妊娠、育児休業、労働基準法、均等法、両立支援助成金、社会保険、給付金、給与計算に関するご相談は埼玉県さいたま市浦和区の社会保険労務士法人フォレストまでお気軽にご連絡ください。
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